デザイン書道つづり

兎のように元気でいたいのですがホントは亀かも

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# 昔もあった書道甲子園 3
 甲子園3.jpg

6/28から続きます。


揮毫会の2〜3日前になると新しい筆で練習しました。
新品は毛先が効いて書きやすかったのですが
親に負担をかけてるなって、子供心に気掛かりでした。

校長先生が、筆の腰を巧く使えない子供の為に
1本づつキャップを切って筆の根元にきちっと
はめて下さいました。

また講堂に電灯を設備し、揮毫会前は
夜8時頃迄書いてたこともありました。
先生方の熱気はその地域中に伝わってた
でしょうね。


揮毫会の会場はいつも福岡市の大きな小学校でした。
当時、車のある家なんて一軒もありませんでしたね。
もちろんテレビもありません。
会場迄親子ともにバス、電車,乗り継ぎ
2時間近くかけて出かけました。

前日にすった墨を沢山ビンに入れ,他の書道用具
一式持参します。会場に入ると扉が閉められ
子供たちだけになります。

とっても緊張する時間でした。3枚の上半紙(和紙)が
配られるとドキドキ,心臓の鼓動がきこえるほどでした。

決められた時間内に3枚を書き上げると
付き添ってこられた担任の先生が
1番よく出来たなという作品を選んで提出され
そこで一気に緊張がほぐれた覚えがあります。

揮毫会のたび、同じ課題を何枚も何枚も
多分700〜800枚もしかしたら1000枚
だったかも。それはもう分かりません。

3〜4年生くらいになると団体優勝とか
準優勝とかを頂けるようになり、校長先生が持ち回りの
大きな優勝の筆を前に「みんな笑って!」と
記念撮影をした覚えがあります。

今の若者みたいに豊かなパフォーマンスや
Vサインみたいなのはなく,静かにニコニコだけ。
でもとっても嬉しかったですね。

6年生迄の間、この繰り返しでした。
当時の仲間で「書」に関わる仕事をしてる人は
誰もいないようです。

ですが、そこで学んだ繰り返し繰り返し
粘り強くやったという記憶は
何をやる上でも活きてるような気がします。

まさにそれは書道甲子園でした。





| comments(0) | trackbacks(0) | 19:43 | category: 書ヒストリー |
# 6代目笑福亭松喬さん「夏の一門会」のプロデュースは
松喬さん一門会.jpg

6代目笑福亭松喬さんの「夏の一門会」ちらし 於天満天神繁盛亭
プロデュース 笑福亭遊喬夫人

8/21(土)です!皆様どうぞ!会場は繁盛亭です!!


1週間程前のことです。
笑福亭松喬さんのお弟子さんで
笑福亭遊喬さんの奥様からこの一門会にぜひ
おいで下さいと嬉しいメールがありました。

笑福亭遊喬さん
http://www.momoti.com/yukyo/

し,しかも奥様のプロデュースの落語会だと
言われるのです。ええっ?どうして?
「よろこんで!行かせて頂きます」
「ブログでも紹介させて頂きます」と返事をすると
「是非お願いします」と意図も簡単なお返事。

彼女は幼い子のママで,書道教室もお持ちで、
他にも仕事があって超多忙。メールをする時間が
ないのもよく知ってました。
才媛だし,楽しいことすきだし、そのうえ美人。
彼女だったらあり得ることだとも思いましたが。

よくよく考えると落語家さんで、
イメージというモノもあるでしょうし。
こんな真面目なブログにに載せていいの?

すると ジャンジャンやってとばかり、
落語会を嫁がプロデュースすることは,うちの
一門ではなぜかとても歓迎され師匠方も遊喬も
喜んで協力してくれ,本当に幸せ感じます。
とお返事頂きました。

彼女は一時期日本デザイン書道(旧商業書道)作家協会
の会員でした。そのずっと以前彼女が20代の頃
仕事先の方から「書」をやりたい女性が‥‥ということで
紹介されてたのです。

彼女のおもろい話はまたいつの日か。



| comments(0) | trackbacks(0) | 15:44 | category: - |
# 昔もあった書道甲子園 2
28秋晴れ修正.jpg

シミだらけ虫食いもあります。
当時の作品で残ったのはこれだけ。秀逸か佳作
でしたが全校生で賞を貰ったのは2〜3人。
晴れがましかった記憶があり残していたのかも。

これは西日本新聞社主催の展覧会。会場で渡される
左肩に新聞社印が押された3枚の半紙。

張り詰めた空気の中、ガチガチになって書きました。
後2枚くらい半紙があったらいいのに‥‥って思いました。
その3枚から1枚提出、これはうまくなかった分ですね。
4年生で6文字は大変だなあと思います。

*********************

6/26の続き。
今みたいに書きやすい墨液がある訳ではありません。
墨をすっては書く、すっては書くの繰り返し。
いいのが出来たなあと思えば先生のところへ
持っていき朱を入れて頂くのです。
その○を貰いたくてやってたようなものです。

難しい筆法や複雑な字が出てくると
背後から手を持って,始筆、終筆、右払い
よく教えて下さいました。

当時始筆終筆なんてことは、いいませんでしたね。
せいぜい止める、はらう、こうして、ああしてで
書いたような記憶があります。
物がなく貧しいのが当たり前の時代でした。
10円でパルプ半紙が20枚買えました。

揮毫会が近くなると講堂に机、椅子を
持ち込み校長、教頭先生が朝から指導されます。
他の授業は受けませんでした。

とにかく同じ課題を何枚も何枚も‥
講堂中墨のかおりと拡げた新聞紙にのる
半紙版の作品だらけでした。

他の生徒さんはどうしてたのでしょう。
他の生徒の親御さんは何と思われてたでしょう。
子供でしたから考えも及びませんでした。

でも当時は熱心な先生を歓迎、感謝こそすれ
だれ一人として批判する人はいません。
先生の善意や熱意を全面的に信頼する
おおらかさがありました。





| comments(0) | trackbacks(0) | 16:39 | category: 書ヒストリー |
# ホップ工芸さんはひまわりさんつながり
ホップ工芸.jpg
「ホップ工芸」 ロゴ

間違いFAXからお付き合いが始まったひまわり美工社さんに、
学校・教育施設関連商品、つまり校歌額や校銘板等を
取り扱いされてる「ホップ工芸」さんを紹介して
頂きました。ひまわりさんのお友達だけに
誠実でホットな方です。

東京国際展示場ビッグサイトへ出品展示される
校歌額のサンプル文字を書かせて頂きその会場迄
ご案内頂きました。

広い会場は学校関連の様々な業種の方々が
参加され、熱気に包まれていました。


******************

今春完成された縦1400横3300の校歌額、
ホップ工芸さんの会心作でした。また私にとっても
感激な作品です。

ホップ工芸さんホームページ
http://www.schoolsign.jp/hpm/type1/

下は工程の一部
き 切り抜き.jpg
墨書した文字を1文字づつゴム板にのせ
カッターで切りぬきます。文字部分を浮き上がらせる
工法で仕上げられます。

手書きの雰囲気を壊さないよう滲みもしっかり
切り抜かれてました。
匠!!!カミワザ!!!

___________________

昔もあった書道甲子園 2はもう少しお待ちください。


| comments(0) | trackbacks(0) | 21:27 | category: デザイン書道 |
# 昔もあった書道甲子園 1
書道甲子園その1.jpg


私が小学生の頃でした。
転任してこられたばかりの校長先生が
全校生に「お習字」を指導して下さったのです。 


勿論楷書ですし半紙版、パフォーマンスもありません。
ですがそれは生涯忘れることのできない
熱い熱い熱血校長先生でした。


全校生300〜400名足らずの当時としては
小規模校でした。西に玄界灘、東は小高い山
が続き、大きな湖もあり、風光明媚、白砂青松の
村に小学校はありました。

年に2〜3回地域の書道協会や教育委員会
地元新聞社等の主催で、書き方大会が
行われていました。

最初は授業中に書いた作品を全校生が
出品。それから選抜が行われ、選ばれると
放課後、猛特訓が始まりました。

最初はクラス担任の先生が指導して
下さいました。

手本には目安の罫線が引かれ、半紙を
何度か罫線と同じように折りたたみ、見て書きます。
それを何日か繰り返し、遂には手本なしで書く
というような繰り返しでした。


| comments(0) | trackbacks(0) | 16:34 | category: 書ヒストリー |
# 「芝居の題字」の本を頂きました
 芝居の題字.jpg
著者  篠原榮太
発行所 (株)グラフィック社


日本タイポグラフィ協会で長年理事長をされ
現在会長の篠原榮太さんから頂戴しました。
ありがとうございます。
A4サイズハードカバー400頁近い見事な書籍です。

昨夏のTVドラマ「官僚たちの夏」のタイトル揮毫でも
お馴染みの方です。

篠原さんはTV創成期からTVタイトルやデザインの
お仕事をされ、この芝居の題字も45年に
亘って携わってこられたのです。

歌舞伎、新派、新国劇、新喜劇、新作物等々
いずれ名作ぞろい。
この題字知ってる!と言えるのも沢山
おさめられています。

扉を開くと、デザイン書道の根幹が
巻頭言に書かれ身の締まる思いが
しました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:20 | category: デザイン書道 |
# 失敗から満白印ができましたが
兎走烏飛_NEW.jpg
兎走烏飛(とそううひ)=烏飛兎走(うひとそう)
月日の経過が速いこと
兎は月、烏は日のたとえ

****************


昨日は篆刻教室でした。
白文でやるつもりでしたがだんだん太くなり、
どうしようもなくなってしまいました。

先月の全日本篆刻連盟展会場で
展示作品を観て回ってたときです。

とても素晴らしい展示作品の解説をなさってる
お二人の方がありました。見ず知らずの方ですが
先生と生徒さんだったかも知れません。

厚かましくもその会話に入れて頂き、お聞きした
ばかりの「満白(まんぱく)」にしようと
思いました。

満白とは文字の如く、通常なら白文は
赤い部分が多いのですが白を
多くした刻し方です。

完成して分かったのですが満白印を刻す
にはやっぱり企画設計が大事でした。

空間処理しやすい、満白印にふさわしい文字
選びが大切だと思い知らされました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:40 | category: 篆刻 |
# ホームメイドのプラム酒ラベル
プラム酒2_NEW_NEW.jpg
真っ赤なプラムでつけ込みました。


作り方という程ではありませんが。

プラム       2パック
ホワイトリカ35度 1.8ℓ  
氷砂糖           150g〜200g
  (出来上がり具合をみて甘みが足りなければ、砂糖を加える)
3ヶ月経ったら、プラムは必ず引き上げる


赤く熟れだしたプラムを見るとやたら
プラム酒が作りたくなります。

それは友人たちと行った食事会での
食前酒でした。
ほどよく冷えほんのり桜色。
そのかおりと、なんともいえない
上品な口触りに魅せられてしまいました。

前年度のプラム酒は手作りラベルを付け
瓶に保存します。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:16 | category: デザイン書道 |
# 「見ルノ、知ルノ、感じルノ。」イレーヌに会ってきました
イレーヌ.jpg

ルノワール―伝統と革新  
国立国際美術館(大阪・中之島)


讀賣新聞の記事ですが
美術館や博物館が熱気にあふれてるそうです。
世界各地で開催の展覧会で昨年
日本が入場者数ランキングの上位4位を
占めたそうで、特に若者が夢中とか。
 
大遣唐使展と違い、「ルノワール」会場はほんとに
若い世代であふれてました。

ルノワールと言えば明るい色彩の印象派ですが。
伝統と革新の中で模索しながら描き続け
られたと分かりました。
(私は模索がたりない!)

やはり関心の的は物憂げな「美少女」3点。
絵本作家の永田萌さんは、欧米の3か所の
美術館を回らなければ見れない!と。

「可愛いイレーヌ」は海外の美術館との
争奪戦をくぐり抜け20年ぶりの日本
公開だそうです。

イレーヌの前には黒山の人だかりが。
幼さの残る表情に細かいまつ毛がくっきりと
描かれ、その手法は書の落款にも似てます。

余計なことですがイレーヌの横に立つ
学芸員さんは、イレーヌに負けず
可愛いきれいな方で
「あなたもかわいい!」
と言ってしまいそうでした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:47 | category: アート |
# デザイン書道の遺伝子
父の書_NEW.jpg
48歳で亡くなった姉を偲んだ父の詩
ルビ迄あります


きょうは父の日。確か父の文字が‥‥
ありました。
当時父は70代半ばだったと思います。
長姉が半年足らずの闘病の末
旅立ってしまいました。

明治生まれの父は(私は父の50前の娘で
すぐ上の兄とも11歳離れてました)
長女が亡くなったからといって、
人前で涙するようなことはありませんでした。

「ゲゲゲの女房」のドラマ世代、
特にヌノエさんのお父さんを彷彿
させるような感があります。

父が亡くなった後、遺品を整理して
いたら出てきたのがこの書き付けです。
B5位の洋紙で何度か折り畳んでありました。
どうしようとしてたのでしょう。
思い返すと涙があふれます。

誰にも何にも言わず飄々と
してたかに見えましたが
父が姉の死をどんなに悲しんで
いたか後々知りました。

この文字を見てますと
何だかとっても似ているようで
「遺伝子」って言われますけど
こういう事なんでしょうか。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:55 | category: - |
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