デザイン書道つづり

兎のように元気でいたいのですがホントは亀かも

Copyright(c) Kumano Seinai. All Rights Reserved
<< September 2010 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# 街中を歩いても筆文字が目に
宮武外骨.jpg
「宮武外骨ゆかりの地」 土佐堀で
優しく丁寧な石碑の文字 内容にあわせて気骨のある
文字だったらおもしろいかも知れません

*************************************


宮武外骨は1867年生まれのジャーナリスト。
東京では公権力に対して反骨の姿勢を貫き、投獄され。

その後大阪に移り住み、行政の腐敗を面白おかしく
揶揄した「滑稽新聞」を月2回、8年間にわたりこの地で発行。
気魄ある明治の男性です。


*************************************

大阪中之島の病院で日帰り人間ドックを受けました。
そこは土佐堀川を渡るとすぐ。

平均1.5年に一度受診するのですが、その度に
医療機器が進化していて驚かされます。
最先端の医療と機器は大勢の受診者を集めています。

この病院は来年で開院90周年。その間3度移転。
この建物もそろそろ10年目。

肥後橋にあった頃は院内掲示物にも
筆文字が沢山ありました。
今はスマートな小振のフォントで
全てカッコ良く表示されています。

筆文字も進化して頑張らなくちゃあ!
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:54 | category: 書ヒストリー |
# 漢字の数は何文字あるの?
 あす香フォント試作.jpg
行きつ戻りつしてた頃のフォント試作文字


世界の文字にユニコード(背番号)をという規格では
すでに75,000字ほどの漢字が登録されています。

中国清代の「康熙(こうき)字典」や「大漢和辞典」では
50,000文字前後。

読売新聞記事では、2ヶ月間に延べ343万文字が
使われ、頻度1位「日」から2,000位「釧」迄で99.6%を
占めるそうです。

これはFONT1000が企画した漢字数とほぼ一致。
今年6月に答申された「改定常用漢字」2136文字
とも似ています。

「あす香細楷書体」を制作する過程でも第2水準の
文字は、殆ど使われる事がないだろうなという
思いを抱きながら書き続けました。

JIS規格では、よく使われる漢字から第1水準2,965字
第2水準3,388字、第3水準1,259字を選定・公布しています。

大勢のフォントデザイナーは、文字数に
疑問を抱きながら、今なお制作し続けています。

| comments(0) | trackbacks(0) | 06:30 | category: デザイン書道 |
# タイポグラフィ=文字書体のデザイン
市川崑の_NEW.jpg
読売新聞記事より 2010年9月26日


読売新聞日曜版、「本よみうり堂」に
「市川崑のタイポグラフィ」 小谷 充著
の内容について書かれていました。

映画監督の名前を冠した本なのに登場するのは
タイポグラフィという内容。

市川崑監督が文字デザインにこだわられた
美意識に驚き、普段何気なく見ている「文字」に
深い背景があった事に感動されています。

毎日あらゆるところで空気や水のように
何気なくつかわれるフォント。
フォントもタイポグラフィのひとつです。

文字のデザインに関わる一人として
こういうことに目を向けていただくのは
嬉しいです。




| comments(0) | trackbacks(0) | 17:36 | category: 書ヒストリー |
# FONT1000への参加
和文書体革命.jpg
「文字術講座」  企画・編集・発行 FONT1000事務局

「和文書体革命」 企画・編集 FONT1000事務局  
        発行    株式会社テクノアドバンス
(タイトルの 和 はTA−奈良)


TA=奈良.jpg
はじめてのフォント 「TA−奈良」
FONT1000 参加

************************************

2001年.初めてのFONT1000参加者による
「Eメール会議」の模様がこの「文字術講座」に
収められています。

この本が送られてきた頃はさっぱり理解
出来ず、本棚にしまい込みました。
2書体、フォントが完成し、少しこの本の内容が
分かるようになりました。

************************************

FONT1000の企画は寒い寒い山間の山小屋で
酒を飲みながら生まれました・・文字術講座による記述

私たちがパソコンや、携帯等でまるで空気や
水のように簡単につかっている日本語フォントは
フォントデザイナーの汗や涙が込められています。

欧米のフォントはアルファベットと数字ですが
日本語は平仮名、カタカナ、アルファベット、数字
そして漢字。特に漢字は膨大な数です。

7000字の文字数をデザインするにはひとりの
デザイナーで2〜3年。構想の時間は
そこには含まれません。

通常の文章であれば漢字はまず1000文字で
良いのではないかという発想です。
今は2000文字位になりましたが。

そうであれば若い優秀なデザイナーも参加
出来るのではというところから発想されました。

FONT1000プロジェクトへの参加は、経歴等一切
問わない自己責任での制作を前提に、オリジナル
タイプフェイスの作品募集を毎年行っています。




| comments(0) | trackbacks(0) | 16:07 | category: デザイン書道 |
# フォント あす香細楷書体 ついにカタログが
24筆の先生.jpg
「筆の先生」カタログ
開発元 株式会社日本ソフトウエアサービス
販売元 三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社


24あす香細楷書_NEW.jpg
完成した「あす香細楷書体」フォント


先日、株式会社日本ソフトウエアサービスさんから
「あす香細楷書体」が掲載されたカタログが
届きました。

この計画がスタートしてから3年余。
こつこつと、まるであの亀みたいに来る日も来る日も
書き続けました。経験上、短期間にささっと
仕上げるのが効率的なのはわかります。

しかし、やればやる程、最初に書いた文字が気に入らず
やり直し、やり直しの呪縛にとらわれるのです。
最初は、行っては戻り、の繰り返しでした。

後を振り返らない!とは言うもののやはり
制作の段階で文字は変化していきます。
よいものを作りたい!悔いがないように!

こうなると人間として信念を貫くしか
ないような気がしました。

漢字平仮名、カタカナ、アルファベット、記号、
マーク含め6,900文字程。
他の方がやって下さるのですが
書き終えてからもそれをスキャンし、文字化
する作業も大変なのです。

フォント的にいえば、JIS第二水準、この間
常用漢字基準が変わり、追加や変更があったり。

トライアスロンを2〜3回チャレンジした気分
でした。

奈良の「至宝の仏像」展会場にあった
元美術院修復部長 飯田雅彦さんの格言が
心に響きました。

「どういう仕事であっても根拠を潰してはいけない
根拠を尊重する それが大原則 今も昔も変わらない」

**********************************

この企画を取り上げて下さった皆様、周辺作業を
引き受けて下さった皆様に感謝の念でいっぱいです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:44 | category: デザイン書道 |
# NHK番組みんなでニホンGOをみて
ニホンGO.jpg
仏像を造るときに出る木切れ 檜の香りがすてき!
(至宝の仏像 仏像修理100年展会場でもらった木片)


*****************************************
 

先週に引き続き、NHKではニホンの
漢字がどうやって守られたかを報じてました。

戦後GHQ(連合国軍総司令部)の文化政策により
昭和23年、漢字の運命を決める、史上最大の
国語テストが行われました。
結果が悪ければ、ニホンから漢字が消えるかも・・。

ニホンの正解率は高く、平均は70点以上
(正確な点数は聞き逃しました) 。

GHQ側とは色々駆け引きがあったようですが
そのテストに関わったローマ字推進論者(誰もが読み
書きできるようにと運動)だった柴田 武氏が、研究者
としての良心で、時の権力に流される事なく
日本語を守られたのです。

その時スタジオの出演者や参加者から、一斉に
拍手がわき上がりました。
簡単がいいとか、英語がいいとか、言ってそうな
若者からです。

日本語を大切にしたいという思いが、みんなから
伝わりました。

そうして、1978年はじめて日本語ワープロが完成。
6,000文字以上の文字が自由に使えるように
なったのです。




| comments(0) | trackbacks(0) | 18:38 | category: 書ヒストリー |
# JDCA企画ロゴデザインコンぺ
 菊美人.jpg
決定したロゴ「菊美人」

新 総評.jpg

会報掲載総評

***********************************

2007年9月、日本デザイン書道作家協会では
菊美人酒造株式会社・江崎専務取締役をお迎えし
講演と、商品ロゴプレゼンコンペを行いました。

九州内外から51名の参加者のうち、26名が
エントリーしその翌年審査の結果が発表。
上の写真のロゴに決定しました。

福岡出身ですのでこのコンペは大変
思い出深く、9/22ブログはこんな経過を
経たものです。


| comments(0) | trackbacks(0) | 09:16 | category: デザイン書道 |
# 「北原白秋」ゆかりの「菊美人酒造」

菊美人酒造株式会社 扁額
読売書法会 創立25周年 九州展記念企画展図録より

菊美人ラベル_NEW.jpg
菊美人酒造株式会社
大吟醸 ロゴ
いずれも北原白秋 揮毫

白秋さんは、良寛さんがお好きだったようです

********************************

「白秋」の篆刻で(9/20ブログ)北原白秋の
号のいわれは?秋のお誕生日だったのでは?           
今となっては恥ずかしい子供みたいな疑問。

ロゴが北原白秋 揮毫の文字という
菊美人酒造さんへお尋ねしました。

社長さん直々にお話し頂き恐縮してしまいました。
(JDCAロゴコンペ企画でご協力頂いた酒造会社さんでした)

与謝野鉄幹、晶子、若山牧水、坪内逍遥・・
次々と明治文豪との交流のお話が出、あわてました。
電話で軽々に私がお尋ねし、大変申し訳なく思いました。

しかし、とても流暢に楽しく当時の模様を語って
頂き昨日は、感謝の念でいっぱいでした。
言うまでもなく、青春、朱夏、白秋、玄冬も
ご説明して頂きました。

************************************

菊美人酒造さんは江戸中期の1735年創業。
福岡県柳川が生んだ詩人「北原白秋」のお姉さまは
先々代社長の奥様。

1月25日生まれ。本名は隆吉。
「白秋」は伝習館中学の頃から文学仲間と夫々
「白」がついた「号」を名乗られたそうです。

その中学時分から、詩や短歌を文壇に投稿。
福岡柳川に「白秋」ありとその才能は
当時の名立たる文人から脚光を浴びます。

造り酒屋の跡取りでありながら、
早稲田大学へ進学。学生生活を送りながら
文壇活動を続けられるのです。

「邪宗門」や「思い出」もありますが何と言っても
心に響く童謡、それはいつ出来たのでしょう。

社長さんのお話ですと、やはり子供さんが
生まれてからだそうです。

赤い鳥、ゆりかごのうた、待ちぼうけ・・
あの詩は赤ちゃんを、だっこし愛おしんだ方でないと
出来ない詩だと思いました。
子供たちへの優しいまなざしが見えます。




| comments(0) | trackbacks(0) | 10:13 | category: 書ヒストリー |
# 先生の「朱雀は夏ですよ!」から
白秋_NEW.jpg
白秋(はくしゅう)=秋の異称


先週の篆刻教室で他の受講生の方が
何か質問をされていました。

内容は詳しくわからないのですが
二葉一成先生が「朱雀は夏ですよ!」と
仰るのが聞こえてきます。


その少し前soraさんのブログで
http://blogs.yahoo.co.jp/soraorimo/16100100.html

「朱夏」という言葉を知ったばかりでした。
朱夏とは40代50代の人生の盛りをいうそうです。

その時はsoraさんブログの、立川広己氏「JAZZ」の絵画作品と
朱夏の言葉以外は頭に残りせんでした。
素敵な絵とぴったりの言葉でしたから。
そこには青春、朱夏、白秋、玄冬が、五行思想によるものとの
説明されていました。

***********************

今奈良は遷都1300年記念祭。
篆刻教室から戻って色々調べると

なら1300年祭.jpg
平城遷都1300年祭公式ガイドBOOKより
(公式ホームページwww.1300.jp/)

キトラ古墳のあの壁画!
東西南北の位置関係いといい、言葉の意味といい、

青龍、朱雀、白虎、玄武。
青春、朱夏、白秋、玄冬。

ぴったり一致するではありませんか。
嬉しくなりました。
だから今日は「白秋」を刻しました。



| comments(0) | trackbacks(0) | 16:02 | category: 篆刻 |
# 地元新聞に掲載された篆刻作品
1昨年から2年間にわたり、「奈良新聞」で
「漢字のルーツ」と題し、二葉一成先生解説のもと
受講生の篆刻作品が掲載されました。

奈良新聞_NEW.jpg

完璧の語源となった「和氏之璧」 =かしのへき
私の篆刻作品ですが、昔は残酷です
悲しい話に心が凍りそう!



*************************


塞翁_NEW.jpg

塞翁馬(さいおうがうま)
  出典「准南子」

吉凶禍福は定めがたく、予測できないから
禍も悲しむにあたらず、福も喜ぶにはあたらない。

人間万事塞翁馬/推枕軒中聴雨眠/
ジンカンバンジサイオウガウマ
スイチンケンチュウアメヲキイテネムル

に始まる元の僧、煕悔機の詩。
漢語では人間=ジンカンで、世間・社会をさす。
(二葉一成先生解説の要約)

この物語が今は絵本になっています。
新聞に掲載された、他の受講生の方の作品が
素敵でしたので私もチャレンジしてみました。


| comments(0) | trackbacks(0) | 17:19 | category: 篆刻 |
熊野井乃ホームページ
熊野井乃ホームページ
Archives
Profile
Comments
Mobile
qrcode
Search this site
Sponsored Links