下世話にいえば、大出世をして奈良に帰ってきました。
マスコミで取り上げられ、東京では連日長蛇の列が
出来たと聞きました。阿修羅ファンクラブもあり
嬉しいことです。阿修羅だけでなく他の天平仏像の
意匠性にも驚かされます。
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来月予定の日本デザイン書道作家協会行事の
下見をかね、興福寺国宝館へ行きました。
初めて阿修羅に出逢ったのは十数年前の正倉院展。
記憶違い?かなあと思うほど簡単な出会でした。
奈良国立博物館の新館が出来る以前で、狭く
正倉院展も、現在の展示が信じられない程
ギュウギュウでした。
その会場を出て出口に抜ける通路に無造作に
阿修羅他多くの仏像が展示されていたのです。
何体か安置された仏像の中で、阿修羅はひときわ
気高くあの目で見つめていました。
もっと大事にして!!!と確かに、訴えていました。
勿論ガラスケースも囲いもなく、手を出せば
すぐに触れられる距離でした。
一般の方も殆ど素通り状態でした。というより
正倉院展で観賞エネルギーを使い果たし、余裕が
なかったのかも知れません。
興福寺国宝館の現在の展示も、ガラスケースは
ありません。が当時とは雲泥の差です。
国宝館が完成し、厳かに展示されるようになり
本当によかったと思っています。